気ままな人生、きままな旅

北アルプス 2001年秋 2/2

蓮華岳より黒部五郎岳を振り返る
蓮華岳より黒部五郎岳を振り返る
9月25日(水) 黒部五郎小舎〜水晶小屋

 06:10出発。尾根に上りきったところで、また雷鳥に出くわす。平気でこちらに背を向けて、一心にエサを探している姿がかわいらしい。キジやウズラの仲間なのだろうか。ほとんど飛ぶことはなく、歩いてばかりの鳥だ。
 07:50三俣蓮華岳(みつまたれんげだけ)山頂着。そこから下って三俣山荘で確かめると、水晶小屋は今晩まで宿泊できることがわかった。最初は高天原山荘にでも泊まって温泉に入ろうかと思っていたけど、水晶小屋に泊まると次の日2時間は節約できるので、予定変更だ。
 10:20鷲羽岳(わしばだけ)着。すぐ下の、よく雑誌のグラビアに出てくる有名な鷲羽池は、水量が少なかった。もう少しあるとさらにキレイなのに残念だ。

水晶岳山頂より赤牛岳
水晶岳山頂より赤牛岳

 12:10水晶小屋に到着し、そこで昼食を済ませた後、荷物を置いて水晶岳山頂を目指す。
 13:55水晶岳(すいしょうだけ)山頂に到着。山頂は狭い。このまま尾根をたどって行くと赤牛岳を経由して、黒部ダムまで行ける。日本海側から盛んに雲が湧き上がってきて、明日の天候が心配になった。

水晶小屋の不安な夕方
水晶小屋の不安な夕方

 15:12水晶小屋に戻る。標高が高いせいか、かなり冷え込んできた。この小屋は飯場みたいな小さなプレハブ。従業員たちが盛んにどんなふうに立て替えるか話していた。10名ほどの宿泊者がひとつの部屋で食事をして、そこで寝るのがなぜかいい。今までで一番小さな山小屋だ。
 夜中に雨がトタン屋根をたたく音で目が覚める。もしかしたらあられかもしれない。明日は天気が崩れるのか? 心配しても始まらないので、またすぐ眠った。

水晶小屋の不安な朝
水晶小屋の不安な朝
9月26日(木) 水晶小屋〜扇沢

 06:15出発。かなり冷える。雨は降っていないけど、雲が多く霧も深く視界が悪い。こういう時にはルートをはずれないように注意して歩かないと遭難の危険がある。
 08:20野口五郎岳に到着。雪が積もったような真っ白な山だ。あいかわらず雲は多いものの雲の上に出ているようで、晴れ間が広がりじゅうぶんな天気。ただ、今いる山脈を境に、東側は曇り西側は晴れで、長野側の景色は何も見えない。
 恐ろしく美しいチョウを見た。空よりも青い羽に、鮮やかなだいだい色の大きな紋がひとつ。この世のものとは思えないほどだった。そしてこんなにも標高の高いところにいるとは。

南から烏帽子岳方面
南から烏帽子岳方面

 08:35野口五郎小屋着。もう今期は閉鎖されている。ひっそりとした山小屋前で簡単な朝食を摂る。もう今回の山登りも終わりに近いので、余っているものをどんどん食べて、荷物の軽量化に勤める。
 11:00烏帽子小屋着。晴れから曇りへと変わってきている。そこでお昼を食べながら、のんびりと小屋の補修をしているご主人と話す。山小屋の主人らしくない印象に興味を持ったので、いつか是非泊まってみたいと思った。
 14:20高瀬ダム着。北アルプス3大急登と呼ばれるブナ立尾根を、2時間半ほどで下れた。登ってくる人は3,4人だった。ダム管理事務所前にある公衆電話でタクシーを呼んで、大町温泉郷まで行く。バス路線は無い

埋まって行く高瀬ダム
埋まって行く高瀬ダム

 この高瀬ダムは、周囲の山の崩壊が激しくそれがダムを埋めてしまうので、何台もの大型重機でしゅんせつしているけどとても間に合わないから、さらに大型の機械を入れるべくトンネルの拡張工事をしている。そのおかげでトンネルを通ることができないので、湖上を関西電力提供のボートでダムまで送ってくれる。なんか得した気分。
 16:30扇沢バスターミナル着。相乗りする人は見つからないし、少しでも安く上げようと思い、大町温泉郷でタクシーを降り、そこからはバスで扇沢に向かった。

 下山後、ファーストフードとファミレスで食いまくったのは、言うまでも無い。

 今回も天気に恵まれた、山登りだった。
 ほとんどの人が気付いていないようだけど、9月中旬以降の台風通過直後には、5日は快晴が続く。
 これで3年連続で秋晴れの山登りをした。
 台風が近づいてきたら、出かける準備をはじめよう!

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