アリススプリングス → ダーウイン 1539km
5/10 アリススプリングス 〜 Wycliffe 372km
南からの追い風に乗り、南回帰線を越えた。
途中、ツレちゃんに会った。エクソマスあたりで入れ違ったようだ。これからエアーズロックまで行き、そこから戻るようにケアンズへ行き、メルボルンへ向かうそうだ。
ここWycliffeのキャラバンパークは、ロードハウス系のものにしては第1級だろう。
今夜も冷え込みそうだ。
5/11 Wycliffe 〜 Elliott 390km
朝からすごい冷え込み。寒さで目が覚めてから眠れない。日が昇っても、寝袋からなかなか出られなかった。もう、秋だもんなぁ。
デビルズマーブルに寄る。悪魔のおはじき。期待していたほどではなかった。
今走っているスチュアートハイウエイの名前の由来になったスチュアート探検隊が、1860年にここを通ったと言う記念碑もあった。
つまりその時まで、オーストラリア中央部はどうなっているのか、誰も知らなかったのだ。さらに、全体が詳しくわかったのは、航空機が登場してからだった。
今晩泊まる、ここElliottoのキャラバンパークのおやじには少々むかついた。北上したからだろうか、アリススプリングスよりは暖かいが、ハエや蚊が多い。
そー言えば、イタリア人を除くヨーロッパから来たライダーは、ジャケットなどしっかりしたものを着ている人が多いが、日本人はウエアに関してはいいかげんなのが多い。
日本人は外国に来ると、すっかりその地に染まりきるか、まったくなじまないか、のどちらかだ。
それにしてもイタリア人の荷物の積み方は、さすがに芸術的だ。まるでピサの斜塔のようで、よくあれで荷崩れしないものだ。
5/12 Elliott 〜 マタランカ 305km
朝の冷え込みはだいぶやわらいだが、まだ少し寒い。
途中で会ったTT250の人は、パースのRBPにしばらく泊まっていたそうだ。彼によると、ここ数日は特別冷え込んでいるらしい。
今晩泊まるマタランカは、温泉で有名なところ。確かに温泉だが、体温より低いんじゃないかな。上がると寒いくらいで、温度が低くてカゼをひきそう。全体の雰囲気は、ジャングル風呂だ。湯船にヘビが泳いでいやがる。
しかしキャラバンパークは大規模で設備も良く、芝生もきれいだ。日が暮れると、受付とキオスクがある管理棟横のステージで、コンサートをやっている。バンドがウエスタンを歌っていて、かなりの盛り上がりよう。観客の多くは中高年で、ジャングル風呂もあり、日本で言えばハワイアンセンターか温泉旅館での歌謡ショーだ。
夜もふけると多少冷え込んではきたが、今までよりはずっとましだ。明日の朝に期待しよう。
5/13 マタランカ 〜 キャサリン渓谷 129km
どーも、ガスコックかキャブの様子がおかしい。負圧式コックだから、エンジン停止中はガソリンは出てこないはずだが。それとも、燃料ホースに残るやつがでてくるのか。それとも、ホース途中のガスフィルタがおかしいのか。
午前中にキャサリン渓谷国立公園内のテントサイトに着き、午後は横井さんとカヌーを借りて川で遊ぶ。川岸の砂地はワニが上がる場所なので、注意せよとのこと。この川にいるワニは人は襲わないと聞いてはいるが、やっぱり怖い。カヌーをこぐのは初めてだったが、面白かった。
ここのテントサイトはすごい。野生のカンガルーやエミューがうろうろしていて、サイトの中まで入ってくる。夜、ボリボリという音に気づいてテントの外を見ると、横井さんの米と朝食用の調理パンが、テントの中に入れておいたのに、カンガルーに食われてしまった。パンの部分は食わずに、上にのっているピザの部分だけ食っていったのがおかしい。米を食う時は行儀良く、ちゃんと前足で米をとって食べていた。
夜になっても、鳥が飛んでる。
今夜は暖かく眠れそうだ。
5/14 キャサリン渓谷 〜 ダーウイン 343km
やっとダーウインに着いた。直前でハイウエイの反対車線は、森の向こうに消えて見えないくらいに離れていた。
事前に聞いていた、ロススミスゲストハウスに泊まることにした。ツインで22ドル。あまり良くはないが、こんなもんだろう。
夜になると中庭のあちこちで焚き火が始まり、その周囲を南太平洋出身と思われる人達が、缶ビールを手に何も話さずじっと火を見つめていた。ちょっと怖くて印象的だった。
久しぶりにベッドで寝れる。
5/15〜5/16 まだダーウイン
今日はダーウインでのんびり過ごすことにした。
おみやげを買い、もう使わないものとプリントした写真といっしょに日本へ送った。カメラを無くした横井さんは、俺のカードで新しいカメラを免税店で買った。
モールの中にあるタイ料理屋のおばちゃんがなぜか気になり、2日連続でランチを食べに行った。今日のは、ちと俺には辛かった。
大穴が開いているジーンズは、いままでワッペンで隠していたが、もう限界なので、白人客は入ってこない中古ジーンズ屋で合うサイズをやっと見つけ、なつかしのクローズドのジーンズを12ドルで買った。言われているとおり紫外線が強いようで、衣類の傷みが激しいようだ。皮ジャンは、3月もすると日本での10年分くらい色が落ちる。
さて、カカドゥ国立公園へはどうやって行くか。レンタカーでも借りるか、それともバスツアーで行くか。さんざん考えたすえに、結局、横井さんとはここで別れて、ひとりで行くことになった。
航空券の有効期間の関係で、横井さんは最短距離でシドニーへ戻らなければならないからだ。
今夜は20代最後の夜。まさかこんなところで迎えるとは、想像だにできなかった。