気ままな人生、きままな旅

オーストラリアツーリング記 13

ダーウイン → マウントアイザ 1869km

5/17 ダーウイン 〜 Cooinda 290km

 チェックアウトを済ませ、ダーウイン市内のマレーシア航空の事務所へ行き、横井さんの航空券のリコンファームをしようとしたが、シドニーに着いたらもう一度してくれと言われた。
 そんなこんだで11時頃の出発となった。
 ダーウイン市内から30km程行ったところの分岐で、横井さんはスチュアートハイウエイを、俺はArnhemハイウエイを行くので、ここでお別れ。
 横井さんのバイクは、調子が悪そうだった。今月中にシドニーに到着しないと、日程的に苦しいだろう。
 Arnhem HwyでJabiruまで行き、そこからCooindaのテントサイトへ。ここは野生のワニを見るための、イエローウオーターリバークルーズの基地となっている。俺も明日朝一番のクルーズを予約してきた。6時45分発なので、5時半頃には起きなければ。
 さっき実家に電話してきた。パースを出てからは初めての連絡。特にかわりはなさそうなので安心した。
 せっかく書いた絵葉書を出し忘れてしまった。
 ここは暖かくていいが、やたらと蚊が多い。豪州で一番じゃなかろうか。しかもでかい。テント内に20匹くらいは入ってしまった。中国製の蚊取り線香ではまったく落ちない。テントの外からでも針をさしてくるので、テントの生地に触れないようにしなくては。

5/18 Cooinda 〜 マタランカ 376km

 ちゃんと起きて、昨日予約しておいたクルーズを楽しむ。けっこうおもしろかったが、ワニは2匹しか見れなかった。陸上に居たやつは口をあいたままじっとしていたし、水に浮かんでいたやつは鼻と目しか水上に出していないので、ほとんどよくわからなかった。それよりも、ハスがきれいだった。あんなに広くハスが咲いているところは、日本には無いだろう。今は乾季だが、雨季には5mは水面が上昇するそうだ。
 クルーズの後出発。
 Kakadu Hwyは130kmほどの未舗装部分があり、小さな水の流れを何本か渡った。その途中の砂の深いところでバイクが振られ、チェンがはずれてしまった。すぐにはめようとしたが、何と前後ともはずれていた。さらに、前スプロケのカバーが割れてしまった。
 そして、今夜は再びマタランカ。以前と何も変わっておらず、ステージでは同じ曲をやっていた。あの曲はウケるんだろうなぁ。
 温泉に入ろうと思っていたが、チェンを詰めたりしたので時間が経ち、あきらめた。
 夕食はカナダから来た、クルマで旅行中のグループに誘ってもらった。ビールと、ココナッツパウダーとズッキーニが入ったカレーライスを食べさせてもらった。彼らは、二ールヤングの「Helpless」という歌に出てくるニューオンタリオは、アメリカかカナダかといった話をしていた。正解は、カナダ。また、カナダとアメリカの英語にはほとんど差が無いためアメリカ人と間違われるので、バッグにカエデマークのステッカーを縫い付けているのだと言っていた。
 ここにいた日本人グループから、ツレちゃん情報を得ることができた。それによると、昨日マウントアイザあたりでバイクの修理に入ったらしい。また、マウントアイザやその先のタウンズビルは暑くは無いものの、夜の冷え込みはここよりマシらしい。

5/19 マタランカ 〜 スリーウエイズ 546km

 今日はここまで約550km。久しぶりに500kmを越えた。
 ここの手前55kmほどで燃料はリザーブとなり、速度を落とさざるを得なくなってしまった。かなりあせった。
 ここは、オーストラリア中央部を南北に貫くスチュアートハイウエイから、東へ向かうバークリィハイウエイの分岐点で、名前の通りT字の三叉路になっている。
 そしてここのキャラバンパークは、この大きな交差点のコーナーにあるようなものなので、夜になっても少々うるさい。しかし、多くのロードトレインやコーチバスが出入りするさまは、ある種の活気を感じさせてくれた。
 今夜は、少々冷え込みそうだ。

5/20 スリーウエイズ 〜 マウントアイザ 657km

 途中のバークリィロードハウスで、シンガポールから4年前に働きにやってきたおじさんと話をして、とても面白かった。
 ノーザンテリトリーとクインズランド州の境からマウントアイザまでは、道は狭くてでこぼこで、細かいアップダウンが連続していた。おまけに道路中央部をクルマ1台ぶんの幅しか舗装していないので、対向車とすれ違う時にはお互い半分舗装から出なければならない。
 でも、州境までの景色は素晴らしく、地平線と見渡す限りの黄色い牧草地が続き、すごく気に入った。
 マウントアイザは、銀と銅の世界的な鉱山の町。精錬所の煙突からはすごい煙が出ている。公害対策はしているんだろうか。この町の数十キロ手前からでも、臭いのがわかったくらいだ。
 ダーウイン以来のまとまった規模の町なので、到着して色々と買い物をしたのだが、すっかり暗くなってしまってキャラバンパークを探すのに手間取ってしまった。
 やっとたどりついたキャラバンパークで受付をしていたら、
 「ちょうど日本人が来ているので、そのとなりがいいだろう」
 ってことで、夜も暗いので受付の高校生くらいの女の子が、手に懐中電灯を持ってそこまで案内してくれた。
 「彼はちょっと変わっていて、タクシーでここまで来た」
 と教えてくれた。
 タクシーでテントサイトに来るなんてどんなヤツだろう?と思っていたら、何やら見覚えがあるテント。そう、先行してシドニーに向かったはずの横井さんだった。
 横井さんに事情を聞くと、だんだんエンジンのかかりがわるくなり、ここでついにエンジンが動かなくなってしまいバイク屋に行ったところ、カムチェンが伸びすぎてカムスプロケットの上をジャンプしてしまい、タイミングがずれてしまって動かなくなったそうだ。
 バイクの修理には1週間はかかるようでバイク屋にあずけたそうだが、航空券の有効期間のこともあるし、これからどうしようかと悩んでいた。
 シドニー、メルボルンといった大都市ならば比較的部品が早く来るので、修理にそれほど時間は必要ではないが、ここでは部品が来るまでに1週間はかかってしまうのだ。

5/21 マウントアイザ

 結局、横井さんはここでバイクを売却することになってしまった。500ドルという修理代と1週間という時間は、彼には高すぎたようだ。
 ここからバスでシドニーまで190ドル、2日の旅だ。横井さんのバイクはと言うと、他州ナンバーだと高くは引き取れないし、修理代も実際にはやってみないとわからないので、レッカー屋行きで300ドルだった。
 スチュアートハイウエイで会った、TT250のヒゲの人と再会。数日前、フェラピーのクルマはついにユララで動かなくなったが、たまたま居合わせたスエーデン人に安く直してもらい、プレンティーハイウエイを行こうとしていたそうだが、あのクルマであの道は無理だろう。
 俺は新しいチェンを買いたかったが、1件目には在庫が無く、2件目には525サイズは有ったのだが、長さが足りなかった。トランザルプは118リンクもある。

5/22 マウントアイザ

 今日もマウントアイザ。
 横井さんを後ろに乗せ、Kマートでもらったダンボール箱にいらなくなった荷物を詰めて郵便局から送り返し、まだ必要な荷物を持ち歩くためのディバッグを買い、撮りおわったフィルムをプリントし、バスの予約をしに行った。
 その後、市内を一望できる展望台へ行き夕日を眺めながらビールを飲み、テントに帰ってから横井さんと最後のBBQをした。
 展望台では、この町の精錬所に技師として出張で来ているアメリカ人に会った。彼は日本にも行ったことがあるそうだ。


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