気ままな人生、きままな旅

北海道ツーリング 2003-4

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三方六
9月13 帯広停滞

 予報どおり、台風の影響で朝から雨。時折強く降るけど風はそれほどでもないので、今回のツーリングの目的のひとつでもある、帯広お菓子三昧に出かける。
 まずは、「柳月堂」。「三方六」をひとつ買い、4つを送ってもらう。俺は三方六フリークなのだ。六花亭ほど有名ではなく、この銘菓を知る人もそれほど多くは無いが、この地味で控え目で由緒正しいお菓子こそ、北海道で1番である。おすすめです。

六花亭
 そして次は、有名な「六花亭」。さくさくパイと栗入りぼたもちを買い、その場で食べる。このぼたもちを取り寄せたいけど、賞味期限の関係で無理らしい。なんとも残念。
 そしてここは、無料でコーヒーが飲めるのだ。1階で立ち飲みだけど、飲み放題。そしてこのコーヒーもどうしてこうして、あなどれない。オリジナルコーヒーを売っているだけあり、そこいらのファストフードやファミレスのコーヒーとはレベルが違う。ヘタな喫茶店のコーヒーよりもうまい。
 いっしょに行った、某有名カメラ店員ライダーは、「店員が5人もいるのに誰も遊んでない。」と驚いていた。さすが目の付け所が違う。

 次は近所のすし屋で、「牛トロ丼」を食べる。その味は、ファミレスによくある「まぐろ丼」と同じだと思えば、当たらずも遠からず。
 ハラもふくれたところで、某有名カメラ店員ライダーに付き合って、帯広動物園内にある「植村直己」記念館へ。はっきり言って、展示物はたいしたことないけど、ビデオが面白く最後まで見てしまった。2時間近くやってたが、帯広とどんな関係があるのかは、わからず仕舞い。
 帰ってからコインランドリへ行ったのだが、乾燥機で速乾性靴下が溶けてしまった。薄手のものは注意が必要である。
 
 

レンガのサイロ
9月14日 帯広〜富良野

 晴れだけど雲がちょっと多めなので、例のお菓子屋でくつろぎながら、さらに天候の快復を待つことにした。
 ってことで、六花亭の開店時間に合わせて、ゆっくり出発。又々さくさくパイとぼたもちとコーヒーのコース。朝から幸せな気分。
 俺は料理の味は気にしないけど、お菓子には少々うるさい。主食ではないからこそ、生きていくために必要な食事ではないからこそ、こだわるのだ。無駄なこだわり、無益な行為、これこそが趣味なのであって、仕事や自分を高めることに役立つものは趣味とは言えないのだ。さらに加えると、人生の目標でも生きがいであってもならないし、社会や他人のためになることでもない。それこそが「趣味」である。

 さて、名残惜しくはあるけれど、いつまでもここにいるわけには行かないので、半ばしぶしぶ出発。久しぶりに見たレンガ作りサイロなんぞを撮影しながら、ナイタイ高原牧場へと向かう。今日の帯広から上士幌(かみしほろ)までは、昨夜通過していった台風の吹き戻しだろうか、風が非常に強い。バイクが真っ直ぐ走れないほどの風で、お店の広告用ノボリが宙を舞っている。

ナイタイ高原牧場
 ナイタイ高原は、高原というよりは山の斜面が緩やかになっている場所。開放的な気分に浸れる。いい眺めだ。
 ナイタイ高原から降りて三国峠へ向かおうとしたところ、前方で旗を振って停止を指示している人がいる。一瞬捕まったかとあせったが、その人は国道管理関係の人で、彼によると、現在三国峠は昨夜の台風で倒木が道をふさぎ、しばらく通れないらしい。仕方ない、狩勝峠越えで富良野か美瑛あたりに行くことにした。三国峠を越えたかったなぁ。

鹿追町あたり
 高い蕎麦屋の前を通過し、デレ〜っと峠を越えて、富良野に侵入。とりあえず美瑛まで行って、「富川食堂」で何かを食うことにした。今回は、とんかつ定食。でっかいとんかつと、1個まるまる使ったんじゃないかってくらいのキャベツの千切り。恐るべし富川食堂。あなどるなかれ。
 ハラもふくれ美瑛駅でいっぷくしてたら、旭川で同宿だった、あな珍しスズキアクロスがいた。彼のすすめで今夜は「ログハウスゆかり」に泊まることにしたのだが、ここはどうも俺には合わない。暗くて湿気が多くてくさくて、清潔さが感じられないんだよな。「ライダーの宿ぬのべ」にすればよかったけど、いびき君が気になってさ。

美瑛の畑
9月15日 富良野〜石狩

 今日も今日とてのんびり出発。富良野から美瑛あたりをうろついたあとは、石狩の知り合いの家に泊めてもらいに行く予定。
 美瑛町を去るとき、もしかしたら国道から眺める丘の景色が、いちばんきれいなのかもしれないと思った。

農道脇の木
 富良野の国道の西側の、とある畑で撮影していたら、「他の人も真似して畑に入るから、出て欲しい」と注意されてしまい、撮影をあきらめざるを得なくなってしまった。畑の周囲の耕されていないところだけを歩くようにしているけど、畑の所有者にはそんなことわからないので、仕方が無い。あともう少しで、雲から太陽が出たのになぁ。
 このことは、畑の美しさが売りである富良野にとっての、頭の痛い問題のひとつだろう。あまり厳しくすると、観光業に影響が出ないとも限らない。そしてこれは、農家にとっても大きな影響を及ぼすだろう。おみやげとしての富良野ブランドの農作物が売れなくなるだけでない。町に活気が無くなるとパートの仕事も減るし、税収が落ち込むので農地の整備も思うようにできなくなる。計らずも富良野がかかえるジレンマを、垣間見ることになった。

畑とトラクター
 もひとつついでに言わせてもらうと、まずは丘陵地帯の畑を良く見てもらいたい。水が均等に行き渡るためにも、土の流出を止めるためにも、そしてなによりトラクターが横転しないよう、なるべく畑は平坦なほうがいい。でも、畑を平坦にすれば観光客が減るし、かといってトラクターが横転しても困るし・・・
 ま、そんなことを考えながら、またまた美瑛の富川食堂へ行き、やっぱりカツカレー。ほんとなら今日は定休日なんだけど、たまたま仕出しの注文が入ったので店を開けていたらしく、なんだか悪いようなラッキーなような気がした。仕出しか、もう農閑期に入るのか。

石狩の藁葺きサイロ
 パワフルな食堂でアナーキーなカツカレーをたいらげて、いざ石狩の知人宅へと向かう。いったん旭川方面へ向かい、滝川から国道12号線をそれて、紀伊半島の十津川村から水害を機に集団移住してきた人たちが作った町である新十津川を通り、当別を経て知人宅に到着。たしか去年も泊めてもらったなぁ。
 石狩の海沿いの国道沿いにあるサーモンファクトリーの向かいに、「たんの商店」というインディーズ系スーパーがある。ここは魚介類、とくに干物の種類が多く、しかも安い。どれも土産物屋の半額くらいだ。「さけとば」と「ぬかほっけ」を大量に買い込む。これでもかってくらいに買い込む。もうバッグに入らねーぞ、ってくらいに買い込む。俺はさけとばフリークなのだ。気持ち悪くなるまで食えるのだ。
 さて今夜は友達も呼んで、ジンカン。おぉ、肉が厚いぞ! お茶がうまいぞ! やっぱりお茶は、急須で入れた熱い緑茶じゃなきゃ。ウーロン茶なんぞ、誰が飲むか。
 あーぁ、風呂も一番でもらってしまった。
 それにしても困るのは、ひつじの肉が嫌いな人が多いということ。においが気になるそうだが、いったい今までどんなひつじの肉を食ってきたんだ? ラムにマトンのレッグチョップ、ちゃんとしたひつじの肉は臭くないのだよ。さては食べたことないな。

フェリーから見た夕焼け
9月16日 石狩〜苫小牧フェリーターミナル

 きょうで北海道ともしばしお別れ。次はいつ来れるのだろう。
 朝食には、肉厚のほっけを焼いてもらった。
 ホントにお世話になりました。またやっかいになりに来るね(笑

 札幌市内でちょっと混んだ後は、難なく苫小牧着。
 おっとぉ、その前に郵便局に寄って、フェリー代をおろさねば。
 フェリーの予約はしてなかったけど、なーんの問題も無く乗船。
 思ったよりもバイクが多く、よく乗れたもんだと感じた。

9月17日 大洗フェリーターミナル〜自宅

 相も変わらず波は静かで、ちっとも揺れやしない。
 やっぱり関東は暑く、すぐには順応できない。
 数日後、一気に気温が下がり、すっかり体調をくずしたのであった。
 めでたしめでたし。
 

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