気ままな人生、きままな旅

北海道バイクツーリング 2004-2

初山別村羽幌線金駒内の廃線の鉄橋
羽幌線 金駒内川橋梁(初山別村)
9月9日 留萌〜稚内

 強力な台風は去り、今日から実質的なツーリングのスタート。
 日本海岸沿いを北上する国道は、留萌を出てすぐの小平で台風被害による通行止め。警備員は気軽に迂回路を指示してくれるけど、山脈に押されて今にも海に落ちそうな、海岸沿いの狭い平地にすべてを放り込んだような場所に迂回路などあるはずはなく、案の定小平ダム経由で大きくX字形に50キロ近く余計に走ることになった。
 今回の台風の威力はすさまじく、沿道の農家の母屋は大丈夫そうだが、納屋は軒並みつぶれていて、どの家でも後片付けの最中だった。ところによっては、町の中まで海草が散らばっていた。
 海沿いの国道脇にはかつての国鉄羽幌線路の痕跡が残っている。日本海沿いを、北から増毛まで線路が伸びていたが、ついに石狩や札幌につながることは無かった。今ほとんどの部分は路床しか残ってないけど、一部トンネルと鉄橋も残っていて、景観ぶち壊しの風力発電機なんぞがエラそうに立ち並ぶ前の風景を思い出させてくれる。

苫前の林の中の廃車
林の中の廃車

 途中廃車の写真を撮るために停車直後、まったく電気が流れない状態になりエンジンが始動しなくなった。あそこかなと考え荷物とシートをはずしてバッテリーを点検すると、予想通りにターミナルから配線が外れていた。ファストゥン端子は注意が必要です。

サロベツ原生花園の展望塔
サロベツ原生花園の展望塔

 サロベツ原生花園で海と別れ、道道121号稚内幌延線を進み、稚内空港のすぐ横で再び海沿いの国道へ出た。この道はツーリングマップルの通り空いていて走りやすいだけでなく、大好きな宗谷丘陵をじっくり堪能できる。

稚内ノシャップ岬の夕陽
野寒布岬の夕日

 こんなとこにもあるのか「赤男爵」の施設を巻くように左折して、宗谷岬には向かわずに稚内市内へと入った。駅とノシャップ岬では、留萌で同宿だったヤツに再開し、今夜は「サガレン」に泊まることにした。
 このライダーハウスは1,500円とちょい高いが、きれいだしバイクを建物の中に入れられるので、とても良いです。

宗谷丘陵のサイロ
宗谷丘陵のサイロ
9月10日 稚内〜紋別

 朝から雨で、みんな出発できずにぐずぐずしている中、時間の無い何人かは雨の中を出発していく。
 午後からオホーツク海側では晴れそうなので、同宿の連中といっしょに宗谷岬でメシでも食って網走まで行こうぜってことで、10時過ぎ小雨の中を仕方なく出発。
 宗谷岬でおいしい帆立ラーメンを食った後、腕時計を忘れたことに気づき夕べの宿まで戻ったので再びソロに。でもこの遅れが幸いして、再び宗谷丘陵に入った頃には天候が回復してきた。
 稚内空港の脇から、昨日通った道道のさらにもうひとつ横の道を使って沼川まで南下した後に道道138号豊富猿払線を東進する。130km/hでコーナーを曲がれる快適な道だった。
 猿払からは海岸線を南下して、今日は紋別まで。道東と道北は、夕暮れに走るのがいちばん良いな。
 このライダーハウス、居心地は申し分ないのだが、設備から言って1,500円は高いと感じた。しかも風呂が壊れていた。ホタテなんていらないから、安くしてほしかった。

国鉄興浜南線円野川橋梁
国鉄興浜南線円野川橋梁
9月11日 紋別〜網走

 かつてオホーツク海沿いには鉄道が走っていた。北から江刺まで興浜北線が、南から雄武までは興浜南線が伸びていたが、ついに両線はつながることなく廃線となってしまった。
 現在レールはもう無いけど、当時の鉄橋がいくつか残っているので、昨日目をつけておいた場所に戻り写真を撮りまくる。
 こういった廃棄物がたどってきた道って、人間の人生と同じだよね。
 そうは言うものの、やぶを、俺の背よりも高い雑草をかきわけながら撮影しに行くのは、ちと骨が折れる。これも人生か。
 こんなことをしている俺は、国道を走り抜けるドライバーにはどんなふうに映るんだろうか?
 小用を足しているって程度か。

砕氷艦「しらせ」
砕氷艦「しらせ」

 紋別のライダーハウスには文句を付けたが、住み着いているヤツはとてもいいヤツで、おまけにこの土日は紋別港で砕氷艦「しらせ」の一般公開があると教えてくれた。
 艦内には思ってもいなかった100円のジュースの自販機があったので尋ねると、常時艦内に設置されているそうだ。
 新しい隊員が乗艦し南極へ行く前に、日本各地で一般公開を続けているようだ。
 先の台風のときも津軽海峡を航行していたっていうから、さすが。50度の傾きって、どんなもんなんだろう。ちょっと惹かれるな。
 
 
 

連結器
連結器

 「道の駅中湧別」で、風呂に入る。チューリップの湯とあるが、花が浮かんでいるわけではない。施設は清潔で広々としていて、空いていることもあり、とても気持ちよかった。そもそも、昼前から風呂に入る人間など、そんなにいるわけが無い。
  ここには、かつてこの地を走っていた列車と、駅の一部が残されている。

さんご草祭り
さんご草祭り

 さんご草がいい色になっていると聞き寄ってみると、さんご草祭りをやっていた。
 お祭りの会場にはいいにおいが漂っていたので、何か無料で食わせてくれるのかと期待したが、世の中そんなに甘くは無かった。

 今夜は、ライダーハウス夕陽の家
 良い評判を聞いたので、ここに決めたのだが・・・
 人を見ただけでイビキをかくと決め付け、イビキで眠れなかったという苦情が多いと言い訳し、もっと高い宿泊プランを勧めてきた。
 いい事を教えてあげよう。
 イビキをかくのは、呼吸器系の疾患である場合を除けば、仰向けになると脂肪が垂れて気道を狭めるからだ。つまり、俺のような痩せている者はまずイビキをかかない。実際に、俺はイビキで迷惑を被ることが多いのだ。
 外見や年齢だけで決め付けるのは偏見であり、ことによっては差別に当たるということを、その年齢なら学習しておくべきだ。
 それとも、もっと売り上げが欲しかっただけ?
 経営苦しいのかなぁ。

 結局、そんなバカげた話しは気にもならないので、ここに宿泊。
 だって、もうお弁当買って来ちゃったし、こんな時間から移動したくは無い。
 他の宿泊者は、秋田から来た農家の息子。いい米作れよ!
 夕日はきれいだったのになぁ。

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