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士幌町あたりのサイロ |
9月10日 帯広
天気もいいし、あったかいしで、まずは六花亭で朝食をすましてから国道241号線を北上すると、写真にある懐かしいサイロが見えてきた。サイロととうもろこし畑はそのままだったけれど、サイロの横にあった納屋は跡形も無く消えていた。
昨年の台風で多くの納屋が倒壊し、サイロ頭頂部の屋根の部分が吹き飛んだものも多い。こうして風景は、少しずつ変わってきたのだろう。
牧草ロールの登場によりサイロの役目は終わったので、いずれ無くなってしまうだろう。急角度で地面すれすれまで伸びる赤いトタン屋根の農家も、次々と消えている。新築する際は現代風の家屋にするだけではなく、離農してゆく農家も多いからだ。漁村にある漁師の家や番屋も同じ運命をたどっているので、これらのものを見るならば今のうちだ。炭鉱関連施設や従業員が住んでいたアパートは、もうほとんど無くなってしまって見ることができない。そうなる前によく見ておいたほうが良いだろう。
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タウシュベツコンクリート橋梁 |
ナイタイ高原牧場から「不二川迂回林道」へと進んだが、あえなく通行止め。仕方なく来た道を戻って国道から糠平湖へ。湖の最上流部から「糠平三股林道」に入り、タウシュベツ橋梁を目指した。
この林道は北海道の林道らしく、直線が多い上に路面状態も良く、とても走りやすい。
林道から橋のたもとまでは歩き。以前はバイクで入っていけたが、今は通行止めにしてあった。
今年は水が多くて、橋はほとんど水没しそうだった。毎年少しずつ崩れて行くのがわかる。極寒の冬、コンクリートに含まれた水分が凍結して膨張し、亀裂を広げているのだそうだ。
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糠平三股林道の崩壊現場 |
さらに林道を進むと、大きく道路が崩落してた。残った路面も泥が堆積し倒木が横たわっていたので、これ以上進むのはあきらめた。もうひとりいれば、少々無理してでも行っただろう。
林道を引き返す途中、クルマが泥にはまって立ち往生していた。完全にハラが地面をこすっていて、いわゆるカメ状態。ケータイも通じないので、糠平まで戻ってJAFに電話してあげた。
この後も3台ほどクルマが進入して行ったけど、救援が来るまで、いったいどのくらいの時間がかかるのだろう。
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士幌あたりの農道 |
コンクリート橋梁を見た後、幌鹿峠を超えて然別湖へと行くつもりだったが、またもや通行止め。林道でもないのに・・・
こうなったら鹿の湯やその周囲の林道はあきらめ、十勝平野の農道を縦横無尽に走りまくることに変更だ。
で、これがかなり面白い。ほとんどは起伏の無い直線で路面状態が良いのでちょい物足りない気もするが、そのぶんスピードを出せる。走りつなぐと簡単に10キロ以上になった。
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道の駅虫類近くの農道 |
9月11日 帯広〜襟裳岬〜三石
今回の目的のひとつは、襟裳岬で夕日を見ること。あそこを回るとかなりの距離になるし、ライハが無いのでつい敬遠してしまい、10年以上に渡って行っていないのだ。
夕日が目的なので天気が悪かったら当然行かないのだが、日頃の行いがよいので見事に晴れた。
ハル坊とは襟裳岬で落ち合うことにして、またもや六花亭でお菓子を食べてから出発。国道を通ってもつまらないので、ライハ「にしな」のすぐ横の道から芽室に向かい、再び帯広市に入って清川あたりで国道236号線を横切り「道の駅さらべつ」を通って再び国道を横切ってから忠類村に入り、そこいらを適当に走っていたら「道の駅虫類」に突き当たって国道に出た。
数キロ国道を走って川を渡ったらすぐに左折して、いっきに海岸線を目指す。突き当たったところで右折すれば(他の方向には進めない)そのまま道道広尾大樹線に入る。この海岸線に沿った道道は、交通量が少なくほぼ直線の気持ちが良い道だ。海は林に隠れてほとんど見えないけれど、そのぶん風が弱いので助かる。
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漁礁か消波ブロック |
広尾町に入り、すぐ広尾港に向かう。かなり整備の進んだ規模の大きな港湾だが、整備された区画のほとんどは売れなかったようで、全国にあるバブル期に開発された工業・商業団地と同様に空き地ばかりが目立つ。野球とサッカーの試合を同時に10試合くらいはできそうで、オリンピックでもワールドカップでも困らないだろう。
その空き地の一角には、北海道だというのに輸入された石炭が山積みになっていた。いずれ大規模な米の倉庫もできるかもしれない。
広尾港を見学した後市街地に入り、国道沿いのセコマで休憩。菓子パンなんぞを食いながらかなりの時間往来をぼんやりと眺めていたのだが、あまりクルマは通らなかった。
フィルムが切れそうなのでカメラ屋を探したが、日曜のためかどこも休みだった。もうすぐ無くなりそうなのでちょい困った。もう12本撮ってしまったのか・・・
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海へ伸びる襟裳岬 |
襟裳岬へと向かう海沿いの道は、以前は忠実に海岸線をなぞっていたのだが、現在は長大なトンネルをいくつも抜ける、どこにでもある陳腐な景色になってしまっていた。
途中にはある程度の規模のある集落は無く、コンビにも無い。セコマさえ無い。
かなり強い風が吹き付けるだろうと覚悟していたが、実際にはウソみたいに風は弱く快適に走れた。でもそれは庶野までのことで、小さな岬をまわりこんで百人浜が見えてくると突然風は強くなり、襟裳岬に来たことを実感させてくれた。
岬に到着してしばらくすると、ハル坊がやってきた。俺のほうが遅くなると思っていたけど、なんでもジンギスカンを食べていたということで遅れたようだ。
そーいえば、羊の肉は臭いと言って嫌う人が多いのに、なんでジンギスカンを嫌う人は少ないのだろう。羊の肉ってうまいのになぁ。マトンレッグチョップなんて最高なのに・・・
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えりも岬の夕暮れ |
今どき渋谷や新宿でこんな客引きをやったら逮捕だぞってくらいの、かなり積極的な従業員のいる、岬のみやげ物屋でえりもラーメンなんぞを喰いながら、夕暮れ時を待つ。今回の目的のひとつは、晴れた襟裳岬で夕日を眺めることなのだ。
肝心の夕焼けはもうちょっと赤く染まると良かったんだけど、水平線近くに雲が垂れ込めていたので、期待通りとは行かなかったが、天気が良かったのだから良しとしよう。3回目で初めて晴れた襟裳岬に来ることができたのだから。真夏ならばもうちょっと南寄りに、岬の先端の先に夕日は落ちるのだろうか。
さて、真っ暗になったところで、今日のねぐらである百人浜キャンプ場に向かう前にコンビニへ買出しに行く。えりも町中心部まで行かねばならないのだが、行けども行けども着かない。10キロほどの距離だが、真っ暗になってしまって気ばかりあせって余計に時間がかかる気がする。
やっとの思いでえりも町のセコマに到着。久しぶりにぶた串を売っていたので、迷わず購入。まだぶた串を食べたことが無いハル坊に1本勧めると、どーせだったら1パック食べたいと言って店内に戻って買ってきた。ツーリング中でも食費を気にしないのは、実に気持ちが良いもんだ。
ハラがふくれて余裕が生まれたのか、ここまで来たら百人浜に戻るのも面倒くさいので、この先のライハまで走ろうということで、ハル坊とともに浦河目指して走り出した。が、浦河駅前にあるはずのライハ「えびす湯」は、えびす湯自体は営業していたが、もう閉鎖されていた。どーりでハル坊が持っている最新版のツーリングマップルには記載されていないはずだ。地図は最新のものを買おうってことか・・・
仕方が無いのでとりあえず風呂に入って考えようということに衆議は一致し、もう15キロほど先の三石温泉に向かう。温泉の隣にはキャンプ所が併設されているみついし道の駅があるので、そこに泊まることになった。この三石温泉はちょっとぬるくてかなりレトロな雰囲気。レトロといっても、80年代風のただ古いだけの施設なのかもしれないが。
三石温泉ではゆっくりとすごし閉館時間までねばってから、すぐ隣にある道の駅に付属したキャンプ場に行ったのだが、なんと受付は終了。当たり前といえば当たり前の時間なのだが、料金表を見るとウソみたいに高い。民宿に泊まったほうがいいじゃねーかってくらいに高い。クソ、こーなったら道の駅で野宿だ!
ハル坊は野宿は初めてだと言ってうれしそうだが、襟裳岬で夕日を見るなどという俺のわがままに付き合わせてしまったようで、ちょっと悪い気がした。思ったより暖かかったのが、せめてもの救いだろうか。
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9月12日 三石〜支笏湖〜苫小牧
野宿なので当然目覚めは早い、と思ってたのだが、起きた時には完全に陽は昇っていた。
本日、苫小牧まで行き、フェリーに乗って帰るつもりだ。
とりあえずはセコマに行って朝食。残念ながら豚串は売ってなかった。
朝食後はハル坊と別れて浦河に戻り、フィルムを買う。「カメラのキタムラ」で閉店セールをやっていて、半額くらいで手に入れることができてラッキーだったけど、閉店セールはちょっとさびしい。
その後は、戻る途中で気になったものを撮影してまわる。じゅうぶんなフィルムが手に入ったので、数なんて気にせず撮りまくる。
こんな時もしデジカメを持っていたら、撮影後に結果をすぐ確認できるので、いらないヤツは消してしまえそうだけど、カメラについている液晶モニター程度では細かいところまでわからないので、結局削除はできないのだ。
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射撃中のお知らせ |
途中、国道のすぐ脇に、かなり物騒な看板が建っていた。道のすぐ脇、有刺鉄線の向こう側は自衛隊の射撃場になっているようで、各種車両が海に向かって並んでいた。有料でいいから、2,3発ぶっぱなしたいなぁ。きっと気持ちいいだろうな。
ついでに、砲弾に好きなことを書かしてくれたら、最高なのになぁ。
名前だけは聞いたことがある、新冠駅に行ってみたが、特に気を惹くものは無かった。
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つぶれたドライブインのつぶれた客車 |
鵡川町あたりで、すごい状態の鉄道車両を見つけた。
ドライブインの施設の一部だったらしいが、ここまでつぶれているのは初めて見た。よく見ると、もう1台の車両が内部に突っ込まれている。
そこいらじゅうにガラスや金属片が散らばっていて、奥までバイクで乗り入れるとパンクしそうだった。
この敷地内には神社まで作られていたが、ほったらかしでいいのだろうか。
向かいのきれいな牧場とは対照的な光景だが、近くのパステルカラーのきれいな厩舎と白い柵の牧場も売りに出されていて、10年後には廃屋になってるかもと、不謹慎な期待をしてしまった。
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トーチカとおぼしき構造物 |
そしてもっとすごいものを発見した。
たぶんこれは、トーチカだと思う。
トーチカとは内部に大砲や機関銃を据え付けるための構造物で、敵の攻撃を防ぐために分厚いコンクリートでできているものだ。
裏には入り口があり、表側の砲身を出す穴は、砲身を左右に振れるように外側ほど広くなるようになっている。
なんでこんなのどかな畑の真ん中に、こんなものがあるんだろうか?
ここは元演習場だったのだろうか。わざわざこんなに大きくて重いものを運ぶとは考えられないし、現在は何も利用されていないようだし・・・
不思議だ。
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チップ寿司(食後) |
苫小牧には昼頃到着し、フェリーの出航時間まではまだだいぶ時間があるので、支笏湖へ行って「チップ寿司」でも食べようじゃないか、ってことで支笏湖まで行ってくることにした。
どうせだったら林道を通って行こうと思ったが、どこが入り口か良くわからずに右往左往。たぶんここだろと思ったところは、鎖でしっかりと封鎖されていたので、帰りに通れば良しとした。
あまり面白くは無い国道を通って支笏湖に到着。なんと駐車場は有料。何考えてんだろうねぇ。
チップ寿司とは鱒の寿司のこと。ちょっと水っぽくてがっかり。その上、今どき回転寿司でもこんなゆるい握り方はしねーぞと思うくらい、にぎり方がゆるかった。
帰りは有料駐車場前にあるスタンドで、リッター130円を超える超高級ガソリンを給油し、林道の入り口はどこもしっかりゲートが降りていることを確認させられながらさっき来た道を戻り、フェリーに乗船した。
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茨城県大洋村のセイコーマート |
9月13日 大洗〜自宅
大洗港から自宅へ帰る途中、大洋村の国道51号線沿いにセコマがある。
もしかしたらカツゲンや豚串を売っているかもしれないと期待したが、やっぱり売ってなかった。
数年前、千葉県内のスーパーでカツゲンが売られていた時期があり、「ついにカツゲン全国発売か」と喜んだのだが、すぐに店頭から姿を消してしまった。たぶん俺くらいしか買った客がいなかったのだろう。
埼玉県や茨城県には数件ずつセイコーマートがあるようだが、カツゲンも豚串も売っていないそうだ。ただ、セコマブランドの缶コーヒーやペットボトルのお茶はあるので、近所のセコマに行って北海道を思い出すのも悪くは無いかもしれない。
ハル坊は、無事に帰れたろうか。なんか心配になってしまう、そんなヤツだった。