気ままな人生、きままな旅

豪州ツーリング

 飛行機も初めてなら、初めての海外旅行が、このツーリング。
 英会話習ったわけでもないのに、なんとかなっちゃうもんだねぇ。
 もうあれから10年も経ったけど、いまだにあの半年間が俺にとって人生最高の時だったし、もしかしたら人生の絶頂期だったのかも知れないな。
 ここに書いてあることは俺の個人的な体験に基づくものなので、いつもそうだとは限らないけど、何かの参考にでもなればと思っています。
 

期  間 1991.1.31〜1991.6.23(湾岸戦争のとき)
走行距離20,340.5km(シドニー発着)
実走行日数約90日
総 費 用約13,000豪ドル(バイク売却代3,500豪ドル除く)
使用バイクHONDA Transalp 600V(コミコミで5,040豪ドル)

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オーストラリアへ行ったわけ
・・・小説「ヴォス」を読んで

 「ヴォス」という小説を読んだことが、オーストラリアへ行こうと思ったきっかけのひとつになりました。
 この小説はパトリック・ホワイトという人が書いた長編の小説で、彼はこれでオーストラリア人初のノーベル文学賞を受賞しました。

 「ヴォス」は史実を元に書かれた、オーストラリア内陸部探検隊の話です。
 実はオーストラリア内陸部の様子が明らかになるのは航空機が発達して空からの観測が始まってからで、それまでは良くわかっていませんでした
 以前は、大陸中央部には大きな湖があり、その周囲には農耕や牧畜に適した広大な土地があるなどど思われていました。そこで探検隊を組織して、調査をすることになったのです。
 そして、その探検隊長になったのが、ドイツ人の「ヴォス」でした。
 この小説の面白いところはふたつあります。
 ひとつは、探検隊長が自国オーストラリア人ではなく、得体の知れないドイツ系移民であること。
 もう一つは、ヴォスは内陸部の調査が目的などではなく、祖国にさえ見つからなかった自分の居場所を前人未踏のオーストラリア内陸部に求めたところです。
 自国のことを知らないばかりか積極的に知ろうとはしないオーストラリア人と、周囲と折り合いがつけられず祖国からはみ出てしまった移民ヴォスの、2重の空虚さ″が、何も無くて「恐るべき空白」と形容されるオーストラリア内陸部へと向かうのです。

 そして俺もヴォスに自分を重ねて、自分自身の王国を探すべくオーストラリア内陸部の砂漠地帯を目指そうと思ったのでした。
 かっこよく言うと、そういうことかな?

 この小説(上下巻)は「サイマル出版」から刊行されていましたが、この出版社は倒産してしまったので現在入手できるかどうかはわかりません。

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